新しくリリースされた自費出版
「消費者ニーズの変化に対応できる小売りサービスの徹底」。
いうは易いが、行なうは難しい商売の基本精神だ。
そうした在り方を、Sはある雑誌の経営インタビューのなかで、こう例えたことがある。
「変化は人間の身体と同じようなものだと思います。
当然のことながら、ひとはだれでも年齢を重ねますから、身体も変化していくのが当たり前と考えられます。
どこか悪くなったり、調子が悪いと取り替えればいいけれど、臓器は簡単には取り替えられない。
一方、企業もよく人体に例えられますが、こちらは取り替えることができます。
変化に対応して、支障のあるところを変えていけば、企業の寿命は伸びていくのです」また、別のインタビューの機会に、Sはこういっている。
「商売というものは、一人で仕入れて、一人で売るのが、最も理想的な形です」。
これに少し付け加えると、実際に店頭に立ってものを売る人間は、来店する顧客の好み、家族構成、前回なにを買ったか、その他さまざまな個別情報を握っている。
その本人が日々の仕入れに当たれば、刻々と変化する個別の消費者のニーズに十分応え得る商品を仕入れられる。
それも日々、無駄なく、かつ無理なくそろえられるというわけだ。
多くの読者はすでにお気づきだろうが、イトーヨーカ堂グループの事業体としてのさらなる発展と、小回りの利く小売店の理想論を語るこの一連の言葉のなかに、急成長から成熟期を迎えたスーパー(大手量販店)業界にあって、その安定した地位に安住せず、リスクのある新しい業態としてのコンビニエンスストアにいちはやく乗り出したSらしさが滲み出ている。
消費者のニーズの転換をにらみ、スーパー展開路線とは別に、まったく新しい「産業」とも呼べるコンビニエンスストアの展開にかけたSら。
実は、既成の商慣習に止まらないことを是とする、かれらの経営思想の根底にこそ、集中商品管理方式やドミナント方式の店舗展開、「小分け配送」といった数ある戦術的成功の秘密がある。
その経営思想が、あらゆる手法の底流を貫いて流れていることにこそ、SE・ジャパンの強さの源泉があるといえる。
では、Sらは、一体どうしてそのような経営思想をもつに至ったのか。
どうやって、その大きなシールとしてのSEと出会ったのか。
偶然という名の幸運にも恵まれたその経緯を知るために、時計の針を少し昔に戻してみよう。
SE・ジャパンでは、中堅幹部、女性社員を問わず、社の経営精神を聞くと、異口同音の答えが返ってくることに驚かされる。
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自費出版に置いて、価格優先で機能面での優位性が縮小すれば、自費出版のメーカーとの低価格競争に巻き込まれてしまう。